2024年10月に公開されたAWSサービスのサポート終了アナウンスまとめ
しばたです。
先月にいくつかのAWSサービス終了や新規受付停止のアナウンスがありました。
「流石にこれ以上は無いかな?」と思っていたのですが、残念ながら今月に入ってからもアナウンスが出てしまったので10月版のまとめを作りました。
対象サービス一覧
サービス | 内容 | 終了日 | 特記事項 |
---|---|---|---|
Amazon Monitron | 新規利用停止 | 2024年10月31日 | デバイスの販売は2025年7月まで |
Amazon Lookout for Metrics | サービス終了 | 2025年10月10日 | 既に新規利用停止 |
Amazon Lookout for Vision | サービス終了 | 2025年10月31日 | 既に新規利用停止 |
Amazon CloudWatch Evidently | サービス終了 | 2025年10月17日 | 既に新規利用停止 |
AWS IoT Device Management Fleet Hub | 提供終了 | 2025年10月18日 | 既に新規利用停止 |
Amazon Kinesis Data Analytics for SQL | サービス終了 | 2026年1月27日 | 2025年10月15日より新規アプリケーションの作成停止 |
[新規利用停止] Amazon Monitron
最初に2024年10月1日にAmazon Monitronの新規利用停止がブログでアナウンスされました。
こちらによると今月末の2024年10月31日以後は新規利用が停止されます。
既存ユーザーは従来通りの利用が可能です。
また、Monitronセンサーは5年間の保証付きで2025年7月まで販売するとの事です。
このためサービスとしては少なくとも2030年7月までは続ける想定の様ですが、センサーデバイスが増えることは無いため現実にはそれより早いタイミングでサービス終了を迎える可能性もありそうです。
AWSとして後継デバイスやサービスが出ることは無い様で、複数パートナーのソリューションを代替として紹介しています。
確認してみた
マネジメントコンソールにアクセスすると新規利用停止の通知が出る様になっていました。
私はセンサーデバイスを持っておらず、このアカウントでIAM Identity Centerの設定をしていないのでこれ以上の調査はできませんでしたが、まだ猶予期間なので通知以外は変わりなく利用できると思います。
[廃止] Amazon Lookout for Metrics
次に2024年10月9日にAmazon Lookout for Metricsのサービス終了がブログでアナウンスされました。
こちらによるとアナウンスと同時に新規利用は不可となっており、来年2025年10月10日をもってサービス終了するとのことです。
サービス終了後に各種リソースは削除されます。
直接的な後継サービスは無いものの、AWSとしては各サービスが個別に持つ異常検知機能の利用を推奨しています。
確認してみた
マネジメントコンソールにアクセスするとサービス終了の通知が出る様になっていました。
よく見るとこちらだとサービス終了日が2025年9月12日になっていますが、他サービスのケースと照らし合わせると丁度1年後になる10月10日の方が正しいと思われます。
ちなみにブログでは既に新規利用停止とのことだったのですが、私の検証用アカウントだとDetectorの新規作成が可能でした。
このアカウントは一度もLookout for Metricsを使ったことが無く既存利用者には該当しないはずなのですがちょっと謎です...
追記 : [廃止] Amazon Lookout for Vision
2024年10月10日にAmazon Lookout for Visionのサービス終了がブログでアナウンスされました。
こちらによるとアナウンスと同時に(2024年10月10日より)新規利用は不可となり、来年2025年10月31日をもってサービス終了するとのことです。
直接的な後継サービスは無く、AWSとしてはパートナーのソリューションを利用するかAmazon SageMaker等を使った独自モデルの構築を代替として提案しています。
サービス終了後のリソースの扱いについては記載がありませんでしたが、SDKを使ったモデルのエクスポート方法がデータ移行の手順として紹介されています。
確認してみた
マネジメントコンソールにアクセスしてみたところ、特に通知などは出ておらず普通にプロジェクトの作成もできました。
どうやら実際に新規利用の制限がかかるまでにラグがある様です。
追記 : [廃止] Amazon CloudWatch Evidently
2024年10月17日にAmazon CloudWatch Evidentlyのサービス終了がブログでアナウンスされました。
こちらによるとアナウンスと同時に(2024年10月17日より)新規利用は不可となり、来年2025年10月17日をもってサービス終了するとのことです。
AWSとしては代替としてAppConfigの利用を推奨しており、2022年の記事ですがAppConfigのフィーチャーフラグの使い方を解説したブログを移行の参考として例示しています。
追記 : [廃止] AWS IoT Device Management Fleet Hub
2024年10月17日にAWS IoT Device ManagementのうちFleet Hubの提供終了がブログでアナウンスされました。
こちらによるとアナウンスと同時に(2024年10月17日より)新規利用は不可となり、来年2025年10月18日をもって提供終了するとのことです。
提供終了後はFleet HubにアクセスできなくなるがFleet Hubから作成したリソースは残り続けるそうです。
AWSとしては以下の機能で代替することを推奨しています。
- フリート接続状態の概要 → IoTフリートのモニタリング機能と各種CloudWatchメトリクス
- フリートアラーム → CloudWatch Alarm
- デバイス検索 → IoTデバイス管理の「モノの高度な検索」
- ジョブの実行 → IoTリモートアクションの「ジョブ」
- デバイス詳細ビュー → IoTデバイス管理の「モノ(Things)」
追記 : [廃止] Amazon Kinesis Data Analytics for SQL
SQLコードでストリーミングデータの分析を行うAmazon Kinesis Data Analytics for SQLですが、2025年10月15日より新規アプリケーションの作成を停止、その後2026年1月27日をもって提供終了になることがブログでアナウンスされました。
AWSとしては現行サービスであるAmazon Managed Service for Apache FlinkとAmazon Managed Service for Apache Flink Studioの利用を推奨しており、2023年の記事ですが移行ブログを紹介しています。
加えて2024年10月18日に移行ブログの日本語版が公開されています。
機能の廃止
サービス全体ではない特定機能の廃止についてもアナウンスが出ており、こちらについては補足として共有しておきます。
AWS Lake Formation Governed Tables
AWS Lake Formationで使えるテーブル形式のうち「Governed Tables」が2024年12月31日をもってデータアクセス不可[1]となり、2025年2月17日以後にGoverned Tablesに関するAPIが利用不可になります。
これはApache Iceberg、Apache Hudi、Linux Foundation Deltaといった既存のオープンソースな形式のサポートに注力するためだそうです。
追記 : Amazon Rekognition people pathing
Amazon Rekognitionの機能のうち、人物の動線を検出する「People pathing」の機能が2025年10月31日をもって提供終了する旨がブログで発表されました。
ブログが公開された2024年10月24日時点で新規顧客の利用を停止しているとのことです。
最後に
簡単ですが以上となります。
これまでに発表されたサービス終了と同様に1年間の猶予期間(Amazon Kinesis Data Analytics for SQLは1年強)があるので環境に応じた対応をしてください。
今月中に追加のアナウンスがあれば随時内容を更新していきます。
具体的に不可となる行為についてはAWSのブログでご確認ください ↩︎